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里山を守ろう

・生物多様性の復活をめざす

 かつては、虚空蔵山の中腹まできれいに手入れされた段々畑が広がっていました。雑木林は、薪・炭など燃料を採るために、10~20年サイクルで伐採し、下草刈り、枝打ちも随時行われ、谷川の水もきれいで、サワガニやヤマメものぼってきました。

 戦国時代、山城(砦)に居ても水の心配がなかったのは、山頂、尾根筋、山腹に泉、水場(黄金水)が存在していたためです。手入れされた里山から流れ出す水は豊かで澄み、多くの魚、エビ、貝、水生昆虫が生息していました。かつての里山地帯は、まさに生物多様性の宝庫で、人と自然が調和していました。

 さて、現在の里山は、人の手が入らなくなり、雑木林は明るい森から暗い森に変わりつつあります。温暖化の影響やカシの進出など、高木の樹冠がいっそう太陽光をさえぎり、低木や草は生えにくくなりました。土壌がむき出しになり、保水力の低下や土の流出、山腹の崩壊に向かっています。水場の消滅、植物相の単純化により微生物、昆虫、野鳥、獣の減少、貴重な山野草や山菜の減少などが著しい状況です。

 表参道と四十八曲がりコースのすぐ上部では、美しいアカマツ林が雑木林に遷移していく姿が見られます。生物多様性の復活をめざし、里山を保全することが求められています。

​ 太郎山賜生会では、2018年に上田市の支援により太郎山の裏山道においてモニタリング観察会を試行し一般観察会も開始しました。さらに、2019年はコンサベーション・アライアンス・ジャパンの助成を得てモニタリング観察会を充実させる予定です。

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